読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

8σの人

冷酷紳士の物語

挫折地点

皆さんはいつ頃自分がヒーローや主人公になれないと悟ったでしょうか。
人生の主人公は自分だとか言うゲロみたいな台詞は置いておいて。

私は5歳くらいの時だったと思います。
当時幼稚園のお遊戯会かなにかで劇をやる事になり、
主役をやりたい人は立候補することになりました。
私はやりたかったので立候補
他にもう一人手をあげた子がいました。
仮にA君とします。
最近のお遊戯会って主役を投票で決めたりしないんですよね。
なるべくやりたい役をやらせてあげるという方針(モンスターペアレント対策でもある。)で、主役が3,4人いるのがデフォルトです。
で、先生が
「じゃあ二人に主人公をやってもらいましょう。」
と黒板に名前を書こうとした時、A君が私にむかって言いました。
「二人で同じ役か。じゃあ俺が本物でお前がニセモノな。」
この言葉を聞いた瞬間、スッと気持ちがゼロになり、
「先生、やっぱり僕、違う役をやります。」
先生は不思議そうに、
「どうしたの?二人で主人公でいいんだよ?」
と言ってくれましたが、私は主役を降りました。

あの時の感情は今でも鮮明に覚えています。

A君は背が大きくてかっこよくて、運動も勉強も得意。裕福な家庭に育ち、流行りの玩具や文房具は何でも持っている。
対して私は背はクラスで一番小さくちょっと太っていて(信じてもらえませんが、昔の私はぽっちゃりしてました。)、運動も勉強も苦手。家は貧乏で質より量を優先して育てられました。
冷静に見て、私は絶対に主人公タイプではない。
どう考えてもA君みたいな人がヒーローをやるべきではある。
そう。自分のような人間は決して主人公にはなれないのだと悟りました。

同時に、自分の利益(この場合は絶対的な主人公としての地位、名声。)のためなら平気で他者を傷付け、蹴落とす人間の醜さに怒りが沸いていました。
もちろん、当時のA君はそんな汚い政治家みたいな考えを持って私に声をかけたわけではないのかもしれません。
しかしそうであるならば、純粋であるからこそ、人間は生まれながらにして救いようのない生き物であると思いました。

まあ、一番は結局自分の容姿が全然ヒーローっぽくないって言うのが要因なんですけどね。
自分はヒーローになれないって悟ったのは。

時は流れて卒園式の日。
先生が私と私の家族を呼び止めてこっそり渡してきたものがありました。

先生が手作りしてくださった、
件の演劇で私が演じた脇役キャラのお面でした。
そのお面は私の机に今も飾ってあります。
裏には先生の名前と、
「8σ君の脇役キャラ、とってもかっこよかったよ。」
とメッセージが書かれていました。
あの時、先生と何か話したのか、何も話さなかったのか覚えていません。
先生は、何か伝えたかったのだろうか?
何か伝えてくれたのだろうか?
どちらにしても、私はまだヒーローになれていません。

で、この間部屋を掃除していたら出てきたこれ。
f:id:snowcreek:20160903142213j:plain
かつてディズニーランドのアトラクションで
シンデレラ城ミステリーツアーというものがありました。今は無いです。
お城の中の装飾品とかを見て回るはずが、
いつの間にか悪いやつを倒す事になるよく分からんアトラクション。
数十人ひとかたまりで回るのですが、
子供達の中から自分がヒーローだと思う子を立候補させ、
運が良いとキャストのお姉さんが選んでくれて(一名)
剣を使って悪者をやっつける。
で、最後にその子供にヒーローの証としてメダルがもらえるというなんかディズニーランド内では異質なアトラクションでした。
小学校6年生位の時に初めて行って、
候補したらなんと指名されて
悪者を倒してメダルをもらいました。

ヒーローになった感想?
無い。もちろん嬉しかったけどね。
でも、まだ足りない。
まだ全然ヒーローになれていない。
人間なんて救いようのない生き物。
だけど誰かを救うヒーローになりたい。
私に救いを求める人なんて、いないのにね。

皆さんはなれましたか?なりたかった何かに。

今日の一言
こちら側のどこからも切れません